江戸から続く旧家の土蔵を改装した懐石料理店で初夏の季節を感じるお食事でお誕生日のお祝い~燈々庵(あきる野)

ランチ

妻の誕生日のお祝い、食事は季節感のあるお料理が楽しめる「燈々庵」に出かけました。

燈々庵はあきる野にある旧家の土蔵を改装したお食事処、昼、夜ともに懐石料理をいただくことができます。これまで家族の集まりで何度か利用させてもらっていますが、旬の素材を使ったお料理を趣向を凝らした盛り付けで、目にも舌にも楽しいお食事が楽しめるお店、月ごとにメニューが変わるので毎月伺いたくなります。

お寺かと思う立派な門構え、このお店の一角だけ別世界の雰囲気、最初に伺った時は懐石料理店とは思えませんでした。

予約していた休日はあいにくの雨模様。梅雨の季節は、雨のお陰でお庭の緑が映え見え、雰囲気がさらによくなります。

ただ、駐車場はお店から30mほど離れたところにありますので、雨の日は傘が必須です。

懐石料理のコース料理のみ、お値段の違いにより5種類のコースがあります。一番お手頃な「椿」は4.800円、このコースのみランチタイム限定です。

雨はしっとりした雰囲気になります。

門をくぐり、石畳を進んで、お店へ。お店までの小径もよい雰囲気です。

時代劇に出てきそうな古い建物ですが、丁寧に手入れがされています。

入口の前には小さな池が配され、細かなところまで雰囲気作りがされています。

入口は重々しい扉、蔵だったことの名残があります。

中に入るとすぐスタッフから挨拶があり、予約の席に案内されました。

お店はテーブル席、カウンター席、個室とありますが、この日は2階のテーブル席に案内されました。

2階のテーブル席は、4組分のテーブルがゆったりとしたスペースを空けて配置されています。もともとゆったりとした造りですので、ソーシャルディスタンスの観点で不安はありません。

中央には立派な盆栽が飾られていました。形がよく相当お高いものなのだろうと見入っていると、

5万円の値札が・・・作者の書かれた工芸盆栽?

工芸盆栽という手工芸があるのを今回初めて知りました。近寄って見ても本物の盆栽そのもの、工芸品であれば、太陽や風に当てたり、水やりをしたりする必要がなく、取り扱いが楽。室内に飾るにはお手入れがしやすく、思わず買って帰ろうかと思ってしまうほど精巧な出来上がりの作品でした。

柱の一輪差しのお花は本物です。

案内されたテーブル席は4人用、夫婦ふたりの利用で、お互い向き合っても正面にならないよう座席配置がされていました。

もうひとつ配慮されていたのは、食事中のマスク入れが用意されていたこと。「新しい生活様式」になってから、マスク入れを用意するお店を見かけるようになりました。こちらのお店では、ジップロックのように口が閉められるビニールパックでした。

これまで食事中のマスクの扱いに苦慮していたので、これをみて、「そうか、ジップロックを持ち歩けばよいのか」と思いました。

お願いしたのは「花8,000円」のコース、お品書きが用意されていますので、これを見ながらお料理をいただきます。

普段であれば、お料理が運ばれる都度、スタッフから丁寧なお料理の説明がありますが、「新しい生活様式」ではお料理を前にした会話はできるだけ避けるとの配慮から、「お料理の説明ができないのでこちらをご覧ください」とお詫びがありました。

席からは敷地内にあるお庭の緑が見えます。ちょうど額縁に入った絵のようです。

先付

涼しげな氷の山にお料理が飾られています。

無花果にこごり胡麻クリームソースくこの実

季節の無花果の寄せもの、胡麻の濃厚なお味が甘みにあって美味しいもの。

茆菜とろろふり柚子

竹の筒に入ったお料理、蓋を取ってかき混ぜながらいただくものとのこと。

茆菜ととろろの冷たいスープ、のど越し爽やかでした。

前菜

涼の彩り杉板青竹敷き旬菜各種盛り込み

前菜は竹籠に入って供されました。

葉の蓋を開けると、小鉢などのお料理がたくさん、種類が多いと楽しくなります。

鰻小袖寿し 夏茗荷甘酢 天子南蛮漬け 丸十レモン煮 万願寺漬し

つるむらさきと法蓮草のお浸し

勾玉豆腐旨出汁ゼリー

南京

トマト蜜煮

一番美味しかったのは勾玉豆腐。カシューナッツの豆腐ですが、濃厚な木の実の味が特徴のお品、こちらでしかいただけないものなので、いつも楽しみにしています。

おくらしんじょ 鱧から揚げ つる菜 人参 青柚子

出汁が美味しいお椀、オクラしんじょも鱧も季節ならではのもの。

造り

旬魚三種盛り あしらい

あおりいか、たい、さくらますのお造り。身がしっかりしたもの、新鮮さがよくわかりました。

焼物

鮎塩焼き たで酢

文月に伺うと、メインのお料理は鮎。今にも泳ぎだしそうな鮎、笹の間からは煙が立ち上るという趣向も凝らされています。

泳ぐ姿のままの焼き物、さっぱりとした実が美味しく、夏が来たと実感しました。


緑色がきれいな蓼酢、蓼の香りと酢の酸味、さっぱりとしたお味が鮎を引き立てます。

焚合

夏野菜べっ甲餡かけ 南京 小茄子 無花果 オクラ

夏野菜の素揚げにあんをかけたお料理、家ではここまで手をかけたお料理を作るのは難しく、お店でいただくのがうれしい一品。

止肴

糸瓜そうめん みずトマト 茗荷 ラレシ すだち酢

お料理を見ただけでは、何の素材か全くわからず、メニューを見て確認してしまいました。

海苔の香りがこんなにも美味しいとはと思うお料理、糸瓜にすだちのさっぱりしたお味でこれも夏らしいお料理です。

止碗、飯、香の物

ご飯とお椀が供され、これでお料理は最後です。

鮎ご飯

鮎の香りが効いた炊き込みご飯、意外にも脂がのっていたことが炊き込みご飯にしてよくわかりました。これはお代わりしたくなるほど、あと引くお味でした。

赤出汁みそ仕立て

炊き込みご飯には、強さのある赤出汁ですね。

水物

最後のデザートは2品。

コーヒープリン ラズベリー ブルーベリー小豆ココナッツソース

お品書きにコーヒープリンにココナッツソースとあったので白い色はソースなのかとおもっていたのですが、中のプリンも真っ白。「コーヒーの香りがするのに、真っ白なのはなぜ?」と最後までわかりませんでしたが、風味良く、美味しいものでした。

桃甲州煮ゼリー寄せ

もう一つのデザートは、桃のコンポートをゼリーで固めたもの、冷たいデザートで最後はさっぱりと締めくくりました。

最後に

お抹茶のサービスがありました。

添えられているのは甘納豆。メニューに書かれていないもの、最後にお抹茶をいただけるのはうれしいサービスでした。

伝票立ては、竹筒。最後まで良い雰囲気作りをされていました。

いつもは1階のキャッシャーでお会計ですが、「新しい生活様式」で密を避けるためにテーブル会計になっていました。

お会計を済ませた後、中庭をみせていただきました。

雨でしっとりした雰囲気で緑がとても映えています。こちらで最後のデザートなどをいただくのもよさそう。雨の午後、喫茶で利用できるとよいですよね。

美味しいお食事をいただいた後、お庭の緑を楽しみながら、お店を後にしました。

ゆったりとした雰囲気とお料理のプレゼンテーションに癒されるお祝いになりました。このお値段でこの内容のお料理をいただけるのは、こちらのお店ならでは。予約してくれた夫に感謝です。

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