帝国ホテル「インペリアルバイキング サール」のフィンランドフェアへ~魚料理を中心としたフィンランド料理と定番の洋食を満喫

ランチ

幼い頃の外食のごちそうと言えば、夫は、京王デパートのお好み食堂で食べる「エビマカロニグラタン」、妻は、小田急ハルク地下にあったポンパドールの「ハンバーグ」か夫と同じく京王デパートの「お子様ランチ」が定番。お子様ランチについていたビニールのエプロンを大切に持ち帰っていました。かれこれ50年近く前の話です。

その頃のさらなるとっておきのごちそうと言えば、「バイキング」。昨今、食べ放題が世の中にあふれていますが、当時は限られたホテルでしかなかったサービス、夢のような場所。ダイヤモンドホテルの中華、京王プラザホテルの洋食、そして、帝国ホテルの洋食がくらいでしょうか、滅多に行けるところではなく、本当に特別なハレの日でした。

帝国ホテルの洋食「インペリアルバイキング サール」と聞くと、私たち夫婦の世代には、特別感あふれる場所。夫の誕生日のお祝いでレストランのリクエストを聞くと、「久しぶりにサールに行きたい」とのこと、平日にお休みが取れた日に行ってきました。

本館17階にあるレストラン、秋晴れのお天気に恵まれた日、窓の外には皇居の緑がきれいに見渡せます。

伺ったのは、日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を記念した「フィンランドフェア」が開催されている時期、フィンランド料理も用意されていました。

フィンランドヘルシンキにある名門ホテル「ホテルカンプ」のシェフが監修した本場のフィンランド料理が楽しめるフェアです。

入り口付近には、フィンランドの展示がいろいろ。

ムーミンがお出迎えです。(私たち世代には、ムーミンにもビビッと反応するもの。「最終回を見て涙を流した」ことは、大きくなるまで両親から何度も聞かされました。)

フィンランドフェアのパンフレットに詳細が紹介されていました。

入口近くにはオープンキッチンがあり、お料理の最後の仕上げが見られます。整理整頓されたきれいなキッチンから美味しそうなお料理が次々にブッフェ台へ運ばれていきます。

店内の至る所に、フィンランドと日本両国の国旗が飾られています。国際会議場にいるような雰囲気です。

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店内の様子

レストラン内は予約の人数に応じてテーブルセッティングがされています。私たちの隣には20人ほどの団体のセッティング、いらした方は職場の忘年会の様子、お仕事の合間に帝国ホテルでお食事会とは羨ましいですね。

ふたり用の席に座り、お食事の開始です。

テーブルのカトラリー置きには、さりげなく箸が一緒に用意されています。お料理は洋食ですので、本来はナイフ&フォークなのでしょうが、お箸があると非常に食べやすいもの。広い世代の方に利用されている長い歴史の中での気遣いなのだと思います。

以下、お料理の様子といただいたお料理を紹介します。
ブッフェ台が混雑している時間が長く、写真撮影を遠慮したので、テーブルの上のお料理の写真が中心です。

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冷たい前菜

前菜には、定番のスモークサーモンやポテトサラダに加え、フィンランド料理が多数用意されていました。サーモンにコケモモを合わせたマリネ、ビーツにゴートチーズを合わせたものお料理など、普段見かけない素材が使われていて新鮮な印象。

帝国ホテルと言えば、スモークサーモン、とにかく売れ行きが良いように思います。常に補充されますので、「食べたかったお料理が食べられなかった」ということはありません。

下の段のハム類も秀逸。種類が多いだけでなく、ひとつひとつのお料理のレベルが高く驚きます。

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サラダ

リーフ類、トマトなどのボールが並ぶほか、クスクスやラタトゥイユなどがありました。

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チーズ

大きなパルメザンチーズの器に圧倒されました。チーズはカマンベール、ゴルゴンゾーラ、ブルーチーズなどがある他、ドライフルーツやナッツ類、クラッカー、はちみつなど、チーズに合わせていただくものも充実。

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パン

ホテルベーカリーで焼き上げられたパンは種類豊富。ホテルショップ「ガルガンチュア」で見かけるバゲット、プチバゲット、テーブルロールなどパンが並びます。すべての種類の味見をしたいのですが、ほどほどにして、今日はお料理中心。

前菜コーナーにお客さんが殺到していたので、サラダとチーズ類からいただいてきました。味わい深いチーズが多く、チーズ好きの夫は最初から満面の笑み。

前菜コーナーの混雑が解消されてからいただいてきました。使われている素材がよいこともあり、海老、タコ、イカ、サーモンなどの海鮮類が美味しく、それぞれのお料理の味に違いがあり、決して飽きることがありません。

酸味と甘みのあるピクルスのような味わい、前菜はいずれも美味しく、これだけでも充分と思う種類のお料理がありました。

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スープ

スープは2種類ミネストローネとクリームスープ。どちらをいただくか迷ったのですが、帝国ホテルならと「かぼちゃのクリームスープ」を選びました。滑らかな口当たりで秋らしさを感じるお味です。

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温かいココット

ココットのコーナーには常時3種類のお料理が用意されています。シェフがオーダーに応じて最後の調理をしてから盛り付けてもらえます。

夫はエスカルゴ、小エビとベーコンの2種類をお願いしました。

妻は、加えて豚肉のシチュー「フィンランド カレリアシチュー」も。塩味のシンプルなシチューですが、豚肉はほろほろ、そして野菜に豚肉の風味が染みて味わいのあるものになっていました。

いずれも熱々の出来立てをいただけるのがよいところ、素材はもとよりソースを楽しめるもの。特にエスカルゴはクリームソースが美味しく、パンと一緒ソースまで完食しました。

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温かいお料理

牛フィレ肉のパイ皮包み赤ワインソースです。

我が家がサールのお料理の中で一番美味しいと思うもの、毎回これをいただいています。

赤身の牛肉にパイ皮をまとって焼き上げられたもの、柔らかい肉質で程よいレアの焼き上がり、脂身が苦手な妻も喜びます。さっくりとしたパイ皮表面の風味と、肉のうまみを閉じ込めて焼かれた肉汁が染みたパイ皮の底とどちらも美味しいもの、赤ワインソースのほのかな酸味と甘さがさらにお料理を引き立てています。

1枚いただいて美味しさを再認識、夫婦ともに思わずリピートしてしまいました。

カービングステーションには、ローストポークもあり、こちらは、適度な脂身つき。豚肉の美味しさは脂が決め手と思う方にはお薦めです。添えられているソースは甘めのパイナップルソース、付け合わせにはフィンランド産のはちみつで煮込まれたニンジンを選んでみました。

夫はローストポークも美味しいと気に入ったようです。

妻が美味しいと思ったのは、白身魚のケネル海老のソース。ケネルとは、日本風に言えば、白身魚のはんぺん。白身魚のすり身に卵・パン粉・小麦粉・牛乳・バターなどのつなぎを入れて作るもの、ふんわりとした食感はまさに白はんぺんそのもの。

しかしながら、海老だしの効いたソースと一緒にいただくと洋食に一変、新しいお料理との出会いになりました。

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デザート

デザートコーナーは、ケーキ、ゼリー・ムース、ジェラート、フルーツの4つのエリアから構成されています。

ケーキ


ケーキのコーナーには7種類が並んでいました。

■ クラッシックショコラ

■ カシスのフランジパーヌ

■ ブルーベリーチーズケーキ

■ フルーツタルト

■ チョコバナナムース

■ 苺のショートケーキ

グラスデザート

グラスデザートは3種類。

■ アカスグリとホワイトチョコレートのヴェリーヌ

■ マロンクリーム

このほか、りんごのゼリーがありました。

ジェラート

ジェラートは8種類。バニラ、チョコレート、キャラメル、ピスタチオの定番に、ブラッドオレンジ、マンゴー、グレープフルーツ、ストロベリーのフルーツがあります。

トッピングもいろいろ、「パールクラックラン」という丸い粒のシリアルをチョコレートコーティングしたものがジェラートのアクセントにぴったり。そのほか、ラングドシャを砕いたものやチェリーの甘煮など、それだけでいただいても美味しいと思うものばかりです。

フルーツは、キウイ、パイナップル、オレンジ、グレープフルーツ、ライチとあり、いずれも食べやすく切込みが入れてあるなど気遣いのある切り方。もちろん、熟していて美味しい状態のものでした。

妻は定番のスイーツを一巡。美味しかったのはマロンクリームのストロベリーショートケーキ。マロンクリームはマロンペーストだけを絞った贅沢なもの、ショートケーキは軽いさっぱりとした生クリームと酸味が残るいちご、スポンジの間に入っているいちごが大きく、さわやかな印象でした。

夫はフルーツ系を中心にチョイス。フィンランドのお菓子「カシスのフランジパーヌ」は酸味がアクセントのサックリタルトで新しい味。

気になるものをリピートしました。

ジェラートは、スプーンでさっと取り出すと楕円のボール状にくるっと成形され盛り付けられました。素早い動きときれいな成形にスタッフの手元を見つめてしまいました。

甘いフルーツで締めくくりました。

写真にはありませんが、食後のコーヒー、紅茶は料金の中に含まれており、いつでもいただけお代わりも可能です。最後のスイーツと一緒にお茶も楽しめました。

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まとめ

お料理は伝統的な洋食が中心、斬新さはありませんが、よい素材を使って丁寧に作られた定番のメニューとにかく美味しく、いつでも楽しめます。お料理は、親世代から子供まで広い年代の方に喜んでいただける内容と思います。

以前はフランス料理らしく塩加減が強く、生クリーム等のコクが濃いと感じていましたが、今回はさほど気にならず、定番の良さを活かしながら、味わいの調整がされているように思います。

落ち着いた雰囲気の中、スタッフの対応はさすが帝国ホテルと思えるほど丁寧で的確、安心してお食事が楽しめますので、ご家族など大切な方との食事にお薦めできます。

また、牛肉のパイ包みやエスカルゴが食べたいと思える時期に伺いたいと思っています。

帰りがけに、「バイキングガイド」なる案内パンフレットにあるのを見つけました。

中身は、バイキングの楽しみ方が書かれたパンフレット。お料理台の並び順やバイキングの楽しみ方のポイントなどが丁寧に説明されています。

前菜から、サラダ、スープとフルコースの順番にお料理を楽しむことや、温かいものは温かいまま、冷たいのものは冷たいまま楽しめるよう、何度かに分けてお料理を取りに行くことなどが書かれています。

幼い頃に教えられたことを改めて思い出しながら楽しくパンフレットを読みました。小学生から中学生くらいのお子さん向けにはとても分かりやすい案内だと思います。こういったことが広い年齢層から支持される理由なのでしょう。

ロビーの生花はいつもきれい、秋は深紅のバラでした。この日も多くの方が記念撮影をされていました。大きさにも綺麗さにもいつも驚いています。

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