行列に並んでも味わう価値ありの炊き立てご飯~銀座米料亭八代目儀兵衛(銀座)

ランチ

京都の米問屋さんが経営する「米料亭 八代目儀兵衛」で厳選したお米のご飯がいただけるという情報を知ったのは数年前のこと。予約は数か月先までいっぱい、予約なしの場合は行列で待つしかないと、とてもハードルが高くて行く機会がないままでいました。

3月に入り外出する人が減りつつあった週末、銀座に出かける用事があったため、予約なしで行ってみることにしました。

当然ながらその日は予約は満席。「観光客の予約キャンセルがあるかも」と淡い期待を持ちながら、開店前に行ってウエイティングするつもりで伺いました。

10時半頃お店に到着してみると、お店の前にはウエイティングリストが用意されていました。ここに名前を書いて順番を待つことに・・・

店頭の説明によれば、11時開店の予約は満席で、

  • 予約のお客さん
    10時50分に店頭集合して注文を受け付け、11時に一斉入店
    10時55分に揃っていないと当日受付のお客さんが繰り上げ
  • 当日受付のお客さん
    10時50分に店頭に集合してそのまま待つ

というシステムのようです。

毎日ウエイティングリストは10時に店頭に出されるとのこと、10時30分過ぎに到着して、ウエイティングリストの16番目。この人数だと、3巡目あたりになるため、入店まで1時間半近くかかりそうです。この人数はいつもよりも空いているのでしょうか・・・

店頭には写真付きのメニュー看板があり、これを見ながら自分の順番が来るのを待つことになります。

11時の開店前に予約のお客さんが勢ぞろい。点呼の様子を見ていると、キャンセルはなかった様子、予約の順番にオーダーが取られ11時になると入店していきました。「キャンセルが出るかも」という期待は見事に外れました。

その後は、次に入店できる数組のオーダーを取ってお料理の準備をして、席が空く都度入店し、入店と同時にお料理が出せるようにとオペレーションしているようでした。

結局、私たち夫婦の順番が回ってきたのは12時半頃。オーダーを受けてもらい、少し待って店内に案内されました。

店内は思ったよりもこじんまり、席数が少ない・・・だからこそお客さんの数が捌けず行列になるのですね。入店して初めてわかりました。

厨房側の壁には米農家の方の写真パネルが掲げられています。

そして、本日いただけるお米の紹介パネルもあります。最上級のブレンド米「翁霞」(おきなかすみ)がいただけるようです。

席に着くと、ほどなくお料理が運ばれてきました。

■ 本日のお造り盛り合わせ銀シャリ御膳(1,760円)

夫は、美味しいご飯ならお刺身!とお造りを選びました。

お造りは、たい、はまちのお刺身にいくら、湯葉が添えられています。

主菜のほかにも、ご飯のお供がいろいろ。ちりめん山椒、お漬物、塩こんぶとご飯が進むものばかり。

小松菜としらすのお浸しもあります。

そして、焼き海苔箱に入った海苔もあります。

最後はお揚げのみそ汁です。

そして、お楽しみのご飯です。お茶碗にふんわりと盛られたご飯、上にはおこげが乗って供されました。湯気の立つご飯はもっちりした粘り気がある食感、甘みも感じ・・・思わず「あっ美味しい」と口にしてしまいました。

毎年秋にその年の新米をいただいた時の喜びと同じ、一口目に美味しいと思うその気持ちになるお味、常にこのご飯がいただけるとしたらとても幸せなことと思います。

ごはんの上に乗せられたおこげはパリっとしたおせんべい、それだけをつまんで、パリパリした食感を楽しんでしまいました。香ばしくてこれだけで美味しい。おこげも味わいがあります。

■ 季節の焼き魚の二種盛銀シャリ御膳(1,550円)

妻は焼き魚を選びました。主菜以外のお料理は夫の御膳と同じです。

焼き魚は鰆と鮭の西京焼き、少し強めの焼き上がり、味も強めですが、ごはんに合わせにはこのくらいがよいかもしれません。

お造りも焼き魚も目でも楽しめる丁寧な盛り付け、お造りにはみずみずしさを演出するつまと、焼き魚には春を感じられる花の枝が添えてあるなど、自慢のお米とともにお料理を楽しんでほしいという気遣いが感じられました。

炊き立てのご飯はさすがの美味しさ、お代わりができるとのことでしたので、夫婦ともに2回お代わりをして、ご飯の美味しさを楽しみました。ホールのスタッフさんは各テーブルの食事の進み具合によく目配せされていて、ご飯がなくなるとお代わりをさりげなくすすめてくださったのもよかった点です。

主菜のほか、これだけの種類のお料理は十分すぎる位、お腹に余裕があればもっと楽しめたのにと思いました。

食事を終え、厨房をのぞくと、ご飯を炊く様子が見えました。

最高の状態に炊き上がるオリジナルの炊飯釜を研究、独自に開発したという究極の土鍋炊飯釜「Banboo!!」が並んでいました。おひとりで10釜を同時に操って常に炊き立てを用意しているとのこと。蓋を開けた瞬間、米の粒が立って光るのを見ると、先ほどいただいたご飯の美味しさがよみがえってきました。

本日のお米をお土産にすることもできます。1kg1,000円は、わが家で買っているお米の2倍以上する高級品。外食することを考えればお安いのですが、お米に品質にあう炊く技があるか少々不安・・・

外に並ぶ人のことを考えるとのんびりできず、食事を終えて早々にお会計を済ませて外に出ました。

店頭には土鍋炊飯釜も展示されていました。「Bamboo!!」の名前の通り、竹の節がある土鍋でした。この土鍋があると美味しいご飯が炊けるのかと思うと欲しくなってしまいますが、仮に購入できたとしても、火加減など炊き上がりまでの見守り番が必要なので、わが家にはまだ難しいですね。

美味しいご飯がいただけるランチはとても価値があるものと思いますが、お店の前で1時間以上も待つとなると非常に微妙。1時過ぎの行列がおさまったところで、タイミングよく伺えればよいのですが、それもタイミング次第。予約の席数が少ないものの、Webから予約して伺うのがよさそうです。

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