今年の夏休みは夫婦で中津川、小布施に来ています。
最初に訪問したのは、岐阜県の古都と呼ばれる中津川、「栗きんとん」の発祥の地として有名な地域です。中津川を夏休みの目的地に選んだのは、妻の勤務先の栗好きの同僚に勧められたのがきっかけ。
東京でも「すや」など中津川の有名店の「栗きんとん」を購入することができるので、「栗きんとん」を食べたことはありましたが、中津川には、ほかにも有名店があると同僚から聞き、行ってみたくなりました。
「栗きんとん」とは?
「栗きんとん」と聞くと、一般的にはおせち料理に入っている黄金色のねっとりとした餡の中に栗の甘露煮が入ったお料理を想像しますが、和菓子の「栗きんとん」は、一度蒸した栗の実を砂糖と炊き上げて、布巾で栗の形にかたどるシンプルな和菓子、栗そのものの風味を存分に味わえるお菓子です。
栗の実を裏ごしし、砂糖などを加えてなめらかにしてから茶巾絞りにしたお菓子、栗の皮をむくことなく栗そのものを味わえる贅沢なお菓子です。
「栗きんとん」は、にぎわい物産展で
同僚から勧められたのは、「栗きんとんめぐり」という中津川の栗菓子屋さん14店舗の「栗きんとん」が詰め合わせになった商品。栗の時期に数か月間の期間限定で販売されるもの、各店の味比べができるとあって、我が家のニーズにピッタリ。
2023年は9月1日から販売開始されるとわかり、その時期に夏休みをとる予定があったので、初日に合わせて中津川へ行くスケジュールを立て出かけました。
「中津川栗きんとんめぐり」を販売しているのは、JR中津川駅前にある「ぎわい特産館」。こちらでは、中津川市の観光情報が入手できるほか、地域の特産品をそろえたお土産物、朝摘みの新鮮野菜などが販売されています。
正面入り口には、「栗きんとん」の看板が出ています。
館内に入ると、中央の目立つ場所に「栗きんとん」のディスプレイがされていました。
「中津川栗きんとんめぐり」は2種類「風流」と「ささゆり」があり、中津川周辺の14店舗の栗きんとんが、7店舗ごと詰め合わされています。2種類ともに購入すれば14店舗の「栗きんとん」の味比べができます。
詰め合わせには、「栗きんとん」のほか、さらに、「栗きんとん」にあう地元のお茶屋さんのお茶も入っており、美味しいお茶と合わせて楽しめるようになっています。
観光協会には、「中津川栗きんとん」の紹介パンフレットがあり、14店舗各店の場所と栗きんとんの特徴が書かれています。これを読みながら、「栗きんとん」を満喫するのもよいもの。
(後から気が付いたのですが、パンフレットには「すや」が紹介されていますが、購入した「中津川栗きんとんめぐり」には、「すや」の「栗きんとん」は含まれておらず、代わりに「柿の木」のものが入っていました。)
このほか、「にぎわい物産館」では、17店舗の「栗きんとん」のばら売りも行われており、1個から購入できます。中津川市内の栗菓子店は、点在しているので、歩いて買いに行くのは難しく、これだけの種類を購入するには移動が大変で1日がかり。駅前の物産館でまとめて購入できるのは大変便利、同僚から「栗好きならぜひ試してみて」とのお勧めもあり、詰め合わせを2種類とも購入しました。
なお、このセットの販売期間は、9月1日~12月3日まで、毎日数量限定で販売。地方発送も可能とのこと、「にぎわい物産館」のオンラインショップで申し込みができます。受付は9月6日から、発送は9月11日から始まるとのことでした。
中津川観光協会の公式Webに詳細が紹介されています。
「中津川栗きんとんめぐり」の中身
「風流」と「ささゆり」にはそれぞれ7店舗の栗きんとんが入っています。
風流
「風流」は、川上屋・しん・美濃屋・恵那福堂・柿の木・やまつ・信玄堂の7店舗の詰め合わせに、市川製茶のお茶が入っています。
箱の裏側の原材料名を見ると、基本は、栗と砂糖、そして一部のお店ではトレハロースが使用されています。食塩相当量の表示に多少差異があるのは食塩を添加の有無からの違いでしょうか。エネルギーにも違いがあるのは興味深いもの、恐らく砂糖の割合の違いのなのかと思います。
ささゆり
「ささゆり」は、松葉・松月堂・仁太郎・梅園・新杵堂・満天星一休・七福の7店舗の「栗きんとん」にお茶が付くセット。
こちらも原材料には微妙な差があるとわかりました。
各店舗の栗きんとん
以下、順番に各店の「栗きんとん」を紹介します。本当は、すべてのお店の栗きんとんを並べて写真撮影したかったのですが、賞味期限はわずか2日、旅行中に賞味期限が来てしまうため2個ずついただきながら写真を撮影しました。
■ (左)川上屋、(右)七福
■ 川上屋
茶色で濃いめの色合いの栗、しっとりとした食感でなめらかに口の中で溶けるもの、粒がわずかに残っています。
■ 七福
黄色みが強い栗、大きめの粒が残る仕上がりで、ほくほくとした食感です。
■ (左)信玄堂、(右)新杵堂
■ 信玄堂
白から黄色に近い色合いの栗、渋皮の苦みを感じる素朴な味わい、粒感は少なめです。ほかのお店の「栗きんとん」よりも、渋皮の粒が多く見えます。
■ 新杵堂
いただいた中では最も茶色が強い色合い、とてもなめらかな食感で粒の残りはなく、洋菓子のモンブランのような味わいのもの。
茶巾絞りで成形した後、絞りのしわをヘラで付けて仕上げているようです。
■ (左)満点星一休、しん
■ 満点星一休
包み紙をほどくと、中にさらに紙が敷かれた包装になったもの。茶色が濃い色合い、しっとりとした仕上がりで粒はほとんど感じられません。
■ しん
白い色合いの栗、渋皮が少なめ、栗そのものを味わっていると思うお味。
■ (左)美濃屋、(右)松葉
■ 美濃屋
中に残る粒は大きめ、しっとり・ほくほくの中間くらいの食感、栗らしさの味わいが残るもの。
■ 松葉
なめらかな食感は「新杵堂」の栗きんとんに近い味わい、粒や渋皮がほとんど感じられないもの。
■ (左)仁太郎、(右)松月堂
■ 仁太郎
ほくほくした食感の中に栗の粒も感じられ、若干渋皮の風味もあるもの、栗きんとんのすべての要素を持ったもの。
仁太郎の包装の中には、パンプレットが入っていました。
栗の写真とともに店主のあいさつがあり、
「栗きんとん」ほか、取扱商品の案内でした。
■ 松月堂
なめらかで甘みを感じるもの、わずかに栗の粒が残る食感のもの。
■ (左)柿の木、(右)やまつ
黄色みが強い栗、しっとりとした仕上がりでなめらか、粒はほとんど感じられないものですが、渋皮の風味が若干残っています。包み紙の内側にさらに紙が敷かれた包装のもの。
■ やまつ
こちらも黄色が強い色合い、粒が大きめで粒感や渋皮の風味があるものの、しっとりした仕上がり。
■ (左)恵那福堂、(右)梅園
■ 恵那福堂
しっとり甘めの仕上がりの中に渋皮が少し入ったもの、粒は大きすぎずわずかに残っています。
■ 梅園
粒が大きいながらもしっとりした食感のもの、こちのお店のものだけ梱包が異なっており、紙の台の上に栗きんとんが載せられ、紙で包んだうえで、脱酸素剤入りのビニールパックがされていました。しっとりした食感だったのはパッケージによるものなのかもしれません。
感想ほか
これまでいただいたことのある「栗きんとん」は「すや」のものなどごくわずか。今回、14店舗の「栗きんとん」をいただいてみて、お店により、栗の粒や渋皮の残し方、きんとんのなめらかさ、甘みの強さ、成形や梱包の方法が異なるということがわかりました。
夫婦それぞれ好みは分かれ、夫は、「新杵堂」や「松葉」のようなしっとりなめらかさが感じられるのものがよく、妻は、「梅園」や「やまつ」のような粒がしっかり感じられるもののしっとりとしたまとまり感のある仕上がりのものがよいと感じました。
中津川駅周辺には、「すや」「川上屋」「梅園」など栗菓子のお店があり、行ってみるのもよいもの。旧中山道沿いには「すや」や「川上屋」の本店があり、いずれも風情のあるたたずまいでした。
「すや」は朝の開店を待って商品を購入される方がいらっしゃるほどの人気。
「川上屋」の周囲には、江戸時代の街道の雰囲気を残した場所があり、一見の価値ありでした、
「中津川栗きんとんめぐり」で14店舗の「栗きんとん」が味わえるのは貴重なこと、好みの「栗きんとん」を見つけるよい機会になりました。紹介してくれた同僚には感謝です。
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